オープンソース化された Swift を Ubuntu で実行する
Apple 社が開発したプログラミング言語 Swift がオープンソース化されました。Swift.org というサイトが公開されており、ソースコードは GitHub で管理されています。
Swift はこれまで主に Apple 社の OS X や iOS 用のソフトウェアを開発するためのプログラミング言語として知られてきましたが、今回のオープンソース化によって Linux 用の開発ツールも提供されました。そこで、公式サイトで提供されている Ubuntu 用の開発ツールを使用してみます。サポートされているのは Ubuntu 14.04 または 15.10 です。バイナリファイルが用意されているので非常に簡単です。
まず、Swift の実行に必要なソフトウェアをインストールしておきます。
$ sudo apt-get install clang libicu-dev
次に、Swift.org から Ubuntu 用の開発ツールをダウンロードして展開します。今回は Ubuntu 14.04 版をダウンロードしました。
$ wget https://swift.org/builds/ubuntu1404/swift-2.2-SNAPSHOT-2015-12-01-b/swift-2.2-SNAPSHOT-2015-12-01-b-ubuntu14.04.tar.gz $ tar xzf swift-2.2-SNAPSHOT-2015-12-01-b-ubuntu14.04.tar.gz
最後に、展開したディレクトリ内の usr/bin
を PATH
に追加します。
$ export PATH=/自分の環境に合わせて適切なパスを書く/swift-2.2-SNAPSHOT-2015-12-01-b-ubuntu14.04/usr/bin:"${PATH}"
これで swift コマンドが利用できるようになりました。
$ swift -version Swift version 2.2-dev (LLVM 46be9ff861, Clang 4deb154edc, Swift 778f82939c) Target: x86_64-unknown-linux-gnu
それでは、簡単なプログラムを書いて実行してみます。以下のコードを hello.swift
というファイル名で保存します。
print("Hello, Swift.")
以下のコマンドを実行すると結果が出力されます。
$ swift hello.swift Hello, Swift.
もちろん、Swift はコンパイルして実行可能ファイルを生成することもできます。デフォルトでパッケージマネージャの仕組みが用意されているため、それに則って実行してみます。
まず、パッケージ用のディレクトリを作成します。ここでは Hello
ディレクトリを作成します。
$ mkdir Hello $ cd Hello
次に、マニフェストファイル Package.swift
を作成します。デフォルトの設定では空のファイルで構いません。
$ touch Package.swift
ソースファイルを作成します。デフォルトでは Sources
ディレクトリの main.swift
というファイルから実行されます。
$ mkdir Sources
ここではソースファイル main.swift
に次のようなコードを追加します。
print("Hello, Swift.")
ディレクトリ構成は以下のようになります。
Hello/ ├── Package.swift └── Sources └── main.swift
ソースファイルをビルドするには以下のコマンドを実行します。
$ swift build Compiling Swift Module 'Hello' (1 sources) Linking Executable: .build/debug/Hello
ビルドが成功すると、.build
ディレクトリに実行可能ファイルが生成されます。
$ .build/debug/Hello Hello, Swift.
なお、デフォルトではデバッグ版が生成されます。リリース版をビルドするには -c release
オプションを追加して実行します。
$ swift build -c release Compiling Swift Module 'Hello' (1 sources) Linking Executable: .build/release/Hello
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